疲労を考える

 そのまた昔(?)、疲労の原因物質は『乳酸』だ!と考えられていました。
運動中も運動後の疲れも運動して1日後の筋肉痛も、更には肩こりのようなも
のまで、乳酸のせいだ!とされていました。なお、乳酸は、糖質からエネルギ
ーを取り出す過程で作られることがあります。

 確かに、400mとか800mとか、とにかく1〜2分全力疾走した場合、乳酸はた
くさん作られ、血中にもたくさんでてきます。対して、jogのようなきつくな
い、楽々の運動の場合は乳酸の産生が少ないです。

 そして、1〜2分の全力疾走は非常にきついです。更には、乳「酸」=酸で
ある、ということは、酸がたくさんあると体内の状態が酸性に傾くことが筋肉
の動きを妨げる、と考えられていました。更に更には、乳酸が脳にも届き、疲
労のシグナルとなっている、脳の疲労の原因であるとも考えられていたようで
す。

 でも、全力疾走した後、しばらくすれば乳酸は減っていきます。もっと時間
が経って、1日後などもそうです。しかし、疲労感が残ることはありますよね。
筋肉が硬くなったり、張ったり。あるいは筋肉痛が出たり。また、ゆっくり長
く走る=乳酸があまり出てこないような運動でも疲れるし、その疲れは残るこ
とはあります。そもそも、肩こりなんて、全力疾走並みに肩周りの筋肉を動か
したわけではないですし‥。

 そんなこんなで、今は『乳酸は疲労の原因となる物質ではない』と考えられ
るようになってきました。また、乳酸は、再度エネルギーになりうることがわ
かってきています。

 ということは、エネルギーが作られ、そして二酸化炭素と水ができ、体外へ
出て行ってしまいますから、いついつまでも体内に残っているわけではないの
ですね。

 昔(?)も、乳酸が疲労の唯一の原因!とまでは考えられていなかっただろ
うとは思いますが、今は、乳酸は疲労物質ではない!という考え方が主流にな
って来ています。



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